【出演情報】Breath～神様にピース～

touch my brassiere?company 10周年記念作品

『Breath ～神様にピース～』

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【脚本/演出】丸山大介

【STORY】
児童養護施設って言えば聞こえは良いけど、孤児院っていった方があたしたちは楽。
だってそうなんだもの。
子供の頃、知らない人に手を引かれてここ、クリスマスビレッジ(児童養護施設の名前)にやって来たわ。
そこにはあたしと同じ様に身寄りのない子供達がいて、みんな寂しそう。そりゃそうよね、帰りたい家も会いたい人もないんだから。
そこの大ママ…つまり院長先生にあたる人が言うの。
「想輪(そわ)これからは私達が家族よ｣
あたしは大泣きした。だって、全く知らない人が今日から家族になるのよ…幾らあたしが子供で独りになったからって新しい家族なんかちっとも欲しくないわよ。オマケに院長先生、男の人だしママが居なくなったから此処に来てるわけでしょ？
あんまりよ…こんなの。やっぱり神様は居ないんだって思ったの。
でも、救いもあった。
杏(アン)と灰二(ハイジ)に出会ったことね。
アンは私より歳が一つ上で、本が好きで、大人しくていつも優しく笑ってくれたわ。裁縫が得意で、私達の洋服を作ってくれるの。一番お話したのがアンだった。
ハイジは私と同い年でいたずらが好きで、施設に泣いてる小さな子供が居れば、そこに行って笑わせた。あたしは100万回くらい笑わせてもらったわ。二人に逢えた事が本当に救いだった。
そんなあたし達が、大人に近づき、このクリスマスビレッジを出る一年前…アンは先に旅立った。理由も分からないまま…
私達、あんなに仲良かったのよ？なのに何も言わないなんてあんまりよ。そうでしょ？アン。
ハイジはアンが居なくなった後、黙ってここを出ていった。
神様はやっぱり居なかったよ。
アン…何処に行ったの？
逢いたいよ…